Technology
技術情報
テクノロジーセンターの5つの技術で新たに挑戦
マグネシウム合金
超軽量 高強度 高耐熱性
構造材としての実用金属の中で最も軽量であるMg合金で作られたねじは、単に軽いだけではありません。今後さらに拡大するMg合金部材の締結にとって、同種材であるが故に多 くの長所を有しているのです。「Mg合金部品の締結には、Mg合金ねじが最適です」。当社では2004年よりAZ31製ねじの量産を行っていますが、さらに広い分野に応用できるよう経済産業省基盤技術高度化支援事業を通して、高強度・耐熱性を持つAZX912を用いたねじの開発を行いました。これらのねじは、「Mg合金部材を強く、そしてやさしく締結します」。
機械的性質
nature
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素材の縦弾性係数
被締結材に作られためねじと正常にかみ合うには、ねじは被締結材の縦弾性係数と等しくなければなりません。マグネシウム部材のめねじを守るには、マグネシウム合金ねじが最適です。
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比強度
AZX912製ボルトの比強度(密度あたりの強度)は軟鋼製の3倍以上で、同等の強度をボルトで保証する場合、AZX912では、サイズあるいは本数は増えますが、総重量は3分の1程度に抑えられます。
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ねじの引張強さと0.2%耐力
AZX912は、A5056とほぼ同等の強度を有しています。
主な化学成分
Chemical composition
- Al
- Zn
- Mn
- Fe
- Ni
- Cu
- Si
- Ca
- Mg
- AZX912
- 9.22
- 0.60
- 0.31
- ≦0.005
- ≦0.005
- ≦0.05
- ≦0.1
- 2.08
- Bal.
- AZ31
- 3.10
- 0.95
- ≦0.2
- ≦0.01
- ≦0.005
- ≦0.01
- ≦0.1
- -
- Bal.
転造による微細化
Miniaturization
AZX912ねじには、組織調整を行なった展伸材を用い、さらに転造加工における動的再結晶を利用することで、締結時に応力が最も高くなるねじの谷部の粒径を5-8μmに微細化し、強度と信頼性の向上を実現しています。
ゆるみ特性
Looseness
締結体の軸直角方向に繰返し変位を与える試験により、同じ締付け軸力でAZX912の方がスチールボルトよりも軸力低下が小さく、 ゆるみ難いことを示しています。
(JSME 年次大会講演論文集 2010(4),137-138,2010)
締付け特性
Tightening
マグネシウム合金ねじは、AI合金ねじよりも締付け軸力が高くなります。 これはマグネシウム合金ねじの方が、締結の信頼性が高く、ねじがゆるみ難いことを示しています。
(S. Hasimura, et al.: Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering Vol.5, No.12, 732-741)
製造能力
Manufacturing capacity
AZ31 … M2~M8
AZX912 … 別途お問い合わせください。
※頭部形状につきましては、なべ、皿、アプセット六角等、リセスは十字穴、ヘクサロビュラ等の対応が可能です。
※環境に応じて必要となる表面処理につきましては、別途お問い合わせください。
使用用途
Use applications
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輸送機器
EV・HV
インスツルメントパネル
ECU
航空機
鉄道車輌
モーターサイクル
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電子機器
スマートフォン
ノートパソコン
デジタルカメラ
ヒートシンク
光学ドライブ
音響製品
-
その他
ロボット
福祉・介護器具
医療機器
電動工具
ラジコン
レジャー用品