GLOSSARY
用語集
用語集
知りたい用語の最初の音にあたる、50音もしくはアルファベットをクリックしてください。お調べいただける用語のリストが表示されます。
-
アイボルト
頭部が大きなリング形状をしたボルトで、主に重量物(機械設備等)の吊り上げ用として使用される。
-
亜鉛(Zn)
亜鉛(Zinc)は、元素記号 Zn で表され、原子番号は30、原子量は約65.37、比重は7.13(g/cc)である。青みを帯びた銀白色の固体金属で、亜鉛族に属する。常温ではもろいが、摂氏100~150度では展性・延性を増す。電極、めっき材料、黄銅などの合金材料にする。
-
アエングロ
ブラックアエン、アエングロともいう。
亜鉛めっき後に、硝酸銀などを含んだ溶液でクロメート処理(化成被膜処理)をすると黒色になる。
被膜は厚いが、銀(硝酸銀)を成分として含むため、耐食性はクロメート程度。
見た目が黒色なので、黒色を要求される部品によく利用されている。
-
亜鉛めっき
亜鉛めっきは主に鉄素地の錆止めに広く用いられる。亜鉛めっき単体では酸化されやすい(錆びやすい)ので、めっき後にクロメート処理(化成被膜処理)を施し、これにより亜鉛表面の耐食性が増し、外観の美しさが備わる。
亜鉛は鉄よりも電気化学的に卑な金属であり、腐食環境下では陽極となって犠牲的に腐食するので、鉄が保護され錆びづらくなる。 -
アジャストボルト
床面に接する側に、回転する椀状の受皿を付けたボルトで、ゴムや樹脂等が張られているものもあり、各種産業・事務機器等の高さ調整 及び 水平保持の脚として使用される。
-
圧造
通常は冷間圧造を指す。→ 冷間圧造(ら行ページ)
コイル状の素材を加熱せずに、ヘッダー(頭部成形機)、その他の冷間鍛造機械などにより、常温で一定以上の力を連続的に加えて塑性加工によって圧造成形することを、冷間圧造加工という。塑性加工とは、金属材料を曲げたり、伸ばしたり、叩いたりして、ある一定以上の力を加えて変形させると、もとの形に戻らなくなる(塑性変形)性質を利用した加工のこと。
冷間圧造の特徴は、素材をそのまま加工するため、切削加工と違い材料ロスも少ない上に、加工スピードも早く、熱間鍛造加工,温間加工に比較しても、熱による歪みも少なく、また、超硬合金等を使用したダイス,パンチ等の金型によって圧造成形するので、加工精度が高く、精度的に均一な製品を作ることができるため、ねじ量産品では最も普及している。 -
あら先
ねじ先端面が圧造時の材料切断のまま面をとっていないもので、小ねじはあら先が標準。
-
アルマイト
アルミニウムは、そのままの状態でも表面に薄い酸化皮膜を生成させるが、傷つきやすく、また環境の変化にも弱い金属である。
そこで、アルマイトという陽極酸化処理を行い、表面に強制的に緻密な酸化被膜を生成させれば、耐食性や耐摩耗性が著しく向上するが、通電性はなくなる。
また様々な着色をして装飾することも可能。 -
アルミニウム(Al)
アルミニウム(Aluminium アルミニューム、略してアルミと言うこともある)元素記号 Alで表され、原子番号は13、原子量は約26.98、比重は2.70(g/cc)である。酸やアルカリに侵されやすいが、空気中では表面に酸化被膜ができ、内部は侵されにくくなる。 また、液体窒素や液体酸素(-183℃)でも脆性破壊がない。
軽量で、耐食性(←酸化被膜による)があり、快削性に優れる為、アルミニウムのままだけでなく、合金などの形でも広く利用されている。比較的良い熱伝導性、電気伝導性を持つ金属。
ステンレス鋼に添加されると、強力なフェライト化元素で、Ni等と金属間化合物をつくり、析出硬化し強度を増す。 -
アンカーボルト(基礎ボルト)
土台である基礎部に前もって埋め込み、構築物等を固定するために使用するボルト。
形状はL形等様々であり、一旦埋め込むと抜けない形状となっている。 -
イオウ(S)
イオウ(Sulfur)は、元素記号 S で表され、原子番号は16、原子量は約32.06、比重は2.07(g/cc)である。黄色のもろい結晶で、酸素族に属する。空気中で熱すると青白い炎を出して燃え、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)となる。
ステンレス鋼に添加されると、熱間加工性を害する。Mn,Mo等と化合物をつくり被削性を増す。 -
一条ねじ
リードがピッチに等しい(1回転で1ピッチ分移動する)ねじで、一般のねじは殆ど一条ねじ。
-
イモねじ
六角穴付き・すりわり付きの頭部がなく、ねじの先端部にて機械部品等の固定・位置決めに使用される止めねじで、先端の形状には、平先,、とがり先,棒先,くぼみ先,丸先などがある。
-
インジウム(In)
インジウム(Indium)は、元素記号 In で表され、原子番号は49、原子量は約114.82、比重は7.31(g/cc)である。銀白色の軟らかい金属で、ホウ素族に属する。
アルミニウムに添加されると、酸化被膜を破壊するので、これを利用し犠牲防食の元素として添加される。 -
インチねじ
ねじのピッチを1インチ(25.4㎜)についての山数で表した三角ねじ。
-
エムス
転造前に、ねじ外径より穴径の小さいエムス用の座金を組込み、その後に転造することで、座金が外れないようにした座金組込みねじのこと。
締結時に座金を入れる手間を省くことができるので作業改善が図れる。
ばね座金1枚,平座金1枚,ばね座金と平座金各1枚等の他に、外歯,内歯座金組込み等色々なタイプがある。 -
エンジニアリングプラスチック
(略称:エンプラ)エンプラの定義はそれほど明確ではないが、工業用途で成形体として使われ、長期耐熱性温度が100℃以上、引張強さが49.0MPa以上、曲げ弾性率が1.9GPa、価格が500円/kg以上のプラスチック材料をエンプラと呼んでいる。
また、エンプラ以上の耐熱性を備えるプラスチック材料はスーパーエンプラと呼ばれるが、価格は格段に高くなる。 -
黄銅
黄銅(おうどう)は、銅と亜鉛との合金で、特に亜鉛が20%以上のものを言う。
加工しやすいので工業材料などとして幅広く用いられており、俗に、真鍮(しんちゅう)と呼ばれることも多い。
銅と亜鉛の割合によって、六四黄銅、七三黄銅と呼ばれ、六四黄銅では黄金色に近い黄色を示すが、亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、少なくなるにつれて赤みを帯びる。
亜鉛が20%未満の赤みの強いものは丹銅とよばれる。一般に亜鉛の割合が増すごとに硬度を増すが、もろさも増すため、45%以上では実用にはならない。
その他にも、被削性を高めるために鉛を添加した快削黄銅や、錫を添加し耐海水性を高めたネーバル黄銅などがある。
現在発行されている5円硬貨もこの素材で、また、金に似た美しい黄色の光沢を放つことから金の代用品にもされ、日本では仏具などに多用されている。 -
応力
(部品に加わる力)÷(力の加わる方向での部品の断面積)=応力。
つまり、単位面積当たりの力のことを言い、単位は一般的に、N/㎟(kgf/㎟)で表す。
外力の種類で引張応力,圧縮応力,曲げ応力,せん断応力等があり、『応力』を『強さ』に置き換えて言う場合もある。 -
遅れ破壊
使用環境から鋼材に侵入する水素によって、鋼材の延性又は靭性が低下した事による影響で、引張強さ以下の負荷応力のもとで、ある時間経過後に突然脆性的に破壊する現象。
遅れ破壊は、強度が高い鋼(引張強さ1200MPa以上)ほど感受性が高くなると言われている。 -
おねじ
小ねじ,ボルトのように、ねじ山が円筒の外側にあるねじ。
-
おねじの外径
おねじの山の頂に接する仮想的な円筒の直径。
-
おねじの谷径
おねじの谷底に接する仮想的な円筒の直径。
-
温間圧造
形状,加工精度,生産性等の面で、冷間でも熱間でも圧造が難しいような場合、オーステナイト系ステンレス鋼製ボルトの非磁性維持,工具消耗減,加工硬化防止による後加工の容易さを目的とした場合に使用される。
冷間圧造と熱間圧造の中間の圧造加工方法で、電気抵抗加熱機で瞬間加熱し、材料を再結晶温度以下の中間温度200~400℃(材質により異なる)に加熱して塑性加工性を高め、連続的に圧造する方法。 -
オーステナイト系
結晶組織がオーステナイト系ということ。
Niの添加により,鉄の 910℃~1390℃ までの安定相 (γ相) を常温でも安定化させたもので、これをオーステナイトと呼んでいる。
基本成分は、18Cr-8Niで、SUS304,SUSXM7,SUS316等がこの代表鋼種である。
この鋼種はステンレス鋼の中でも高耐食性・耐薬品性・強靭性に優れ、非磁性で焼入れによって硬化はしないが、冷間で塑性加工を施すことにより硬化させることができる。
ねじ部品の約80%がオーステナイト系で作られるぐらい主流な系統である。
溶体化処理(1100℃程度まで加熱後急冷する)により延性、耐食性をよくする。
一般的には非磁性素材だが、冷間加工後に多少の磁性を示すことがある。
-
回転締め付け法
ボルト、ナット等で部材を締結するとき、ボルトまたはナットの締付トルクによる回転角度がボルトに生じる軸力に比例する性質を利用して、軸力を締め付け時の回転角によって管理する方法。
-
加工硬化
金属材料を冷間加工すると結晶内にひずみが生じ強くなり(硬さや引張強さが増大)、延性(伸びや絞り)減少することを言う。大部分の金属材料は常温では加工硬化する性質を持っている。
-
かしめる
リベットを用いて、板と板とを繋ぎ合せる場合に使う言葉で、穴を開けた2枚の板にリベットを通し、飛出た軸先端部(かしめ部)を専用工具,専用設備を使って潰し、固く密着させること。
-
カムアウト
十字穴付きねじをドライバーを用いて締付けを行なう際に、上から押さえつける力(推力)が小さい場合等に、十字穴からドライバーが手元に浮き上がってくる現象のこと。
-
カルシウム(Ca)
カルシウム(Calcium)はアルカリ土類金属の1つで、元素記号 Ca で表され、原子番号は20、原子量は約40.08、比重は1.55(g/cc)である。銀白色の柔らかい金属で、炎色反応は橙赤色。酸素・塩素と激しく化合する。金属の脱酸剤などに用いる。動物の骨・歯の主要成分。イオンは多くの生命現象で重要な調節機能に関与している。
-
機械的性質
金属の機械的性質とは、外力が金属材料に働いた場合の金属の抵抗する強さや硬さの度合を言い、金属材料を使用して加工を行なう場合に最も重要視される性質。
その性質には、強さ(引張強さ,圧縮強さ,せん断強さ)、展延性、脆性(もろさ)、靭性(粘り強さ)、加工硬化、時効硬化等が挙げらる。 -
基準山形
ねじ山の実際の断面形を定めるための基準となる理論上のねじ山形状。
ねじの軸線を含んだ断面形についていうのが普通であり、基本山形,基本形ともいう。 -
キャップスクリュー
キャップスクリューとも呼ぶ。頭部形状が円柱状の六角穴付きのボルト。
-
キリンス
真鍮(黄銅)製品の錆落としと同時に真鍮本来の光沢を出す酸処理法のこと。
光沢浸漬法、化学研磨法とも呼ばれる。 -
金(Au)
金(Gold)は、元素記号 Au で表され、原子番号は79、原子量は約196.97、比重は19.32(g/cc)である。
光沢ある黄色の金属で、銅族に属する。金属中最も延性・展性が大きく、厚さ0.1ミクロンの箔(はく)とすることができる。
化学的にきわめて安定で、王水以外の酸に溶けない。 -
くぼみ先
ねじ先端面の中央に円錐状のくぼみを付けたもので、止めねじ等に用いられる。
-
クラック
材料の外面又は、その全厚さを貫通しているか又は貫通していない割れ目。
製品の表面から内部に広がった裂け目。
クラックは主に材料内外の切り欠き部から生じる。 -
クリープ
一般に、物体に力 (塑性変形応力よりも大きい力) を加えると、物体は変形してしまうが、その力よりも小さい一定の力を加えた時に生じる変形の内、時間の経過とともに徐々に変形する現象のこと。高温度になる程この現象が顕著になる。
-
黒染め
黒染めとは、鉄鋼の表面に化学薬品で緻密な酸化被膜を形成させ、錆を防ぐ処理である。
簡単に言えば、鉄鋼の表面をわざと錆させ、それ以上錆が進行しないようにする処理。
表面は、四三酸化鉄の酸化被膜で覆われているため、錆が発生しにくくはなっているが、膜厚は1~2μmと非常に薄いので、十分な耐食性があるとは言えない。 -
クロム(Cr)
クロム(Chromium)は遷移元素の一つで、元素記号 Cr で表され、原子番号は24、原子量は約52、比重は7.19(g/cc)である。
銀白色の光沢ある金属でクロム族。耐食性が強く、めっき用・合金材料として用いられる。常磁性。
ステンレス鋼の基本元素で、12%以上添加されると耐食耐酸化性が著しく増す。 -
クロメート
電気めっきの主流な方法で、光沢クロメートと有色クロメートがある。
ねじ類に関しては、単にクロメートと言った場合、有色クロメートを指すのが一般的である。
亜鉛めっき後にクロメート処理(化成被膜処理)を施すので、クロメートと呼ばれている。
外観は、黄色みがかった赤~緑で、単色ではなく、黄色,赤,緑の絡み合った虹色をしている。
防錆用として用いられ、耐食性は亜鉛めっきの後処理(クロメート,ユニクロ,黒色クロメート,緑色クロメート,三価クロメート,三価ユニクロ)の中では、緑色クロメートに次いで優れている。
最近では環境関連の規制の動きから、三価クロメートに移行しつつある。 -
クロームめっき
ニッケルより重厚な光沢がある。
耐食性が特に優れており、耐摩耗性も良好。 -
ケイ素(Si)
ケイ素(Silicon)は、元素記号 Si で表され、原子番号は14、原子量は約28.09、比重は2.33(g/cc)である。
灰黒色の結晶または褐色の無定形固体で、炭素族に属する。酸化物やケイ酸塩として岩石中に多量に存在し、地殻中の存在量は酸素に次ぐ。
ステンレス鋼に添加されると、耐酸化性を増すが、多量に加えるとじん性を低下させる。 -
公差
許容される誤差の最大寸法と最小寸法との差で、一般的に、許容差と同じ意味で使われるが、正確に言うと以下のようになる。
例)
10+0.5/-0.3 と表記されている場合、+側の許容差が0.5、-側の許容差が0.3、公差が0.8。 -
高周波焼入れ
高周波電流による誘導加熱作用で急速に加熱して焼入れを行い、その後、焼戻しをする。
主に鉄鋼の任意の表面または部分を焼入れする場合に用いる。 -
鋼製ねじの使用温度範囲
材質によって異なるが、およそマイナス50~300度であり、温度が高くなると引張強さが低下する。
また逆に温度が低くなると引張強度はあまり変化しないが、鋼の衝撃値が低下し、脆くなるので注意が必要。
一般ねじは、耐熱性,耐寒性,耐食性も保証されないので、相手部材との関連も含め注意が必要。 -
黒色クロメート
ブラックアエン、アエングロともいう。
亜鉛めっき後に、硝酸銀などを含んだ溶液でクロメート処理(化成被膜処理)をすると黒色になる。
被膜は厚いが、銀(硝酸銀)を成分として含むため、耐食性はクロメート程度。
見た目が黒色なので、黒色を要求される部品によく利用されている。 -
小ねじ
比較的呼び径の小さい(一般的にはM8以下)の頭付きのねじで、頭の形状には、チーズ頭,なべ頭,皿頭,丸皿頭,トラス頭,バインド頭,丸頭などの種類がある。
-
コバルト(Co)
コバルト(Cobalt)は、元素記号 Co で表され、原子番号は27、原子量は約58.93、比重は8.9(g/cc)である。灰白色の金属で、鉄族に属する。延性があり強磁性を示す。
ステンレス鋼に添加されると、著しく耐クリープ強度を増す。 -
固溶化熱処理
材料の合金成分を固溶させる(固体の中に溶かし込む)ことのできる温度に加熱/保持した後、冷却中に析出物がでないように急冷する処理である。
オーステナイト系ステンレス鋼では、耐食性を劣化させる析出物をなくすために、加工前に必ず固溶化熱処理を行う。
また、軟化と組織改善で行う事もあり、オーステナイト領域(1050~1100℃)まで昇温し、クロム炭化物を分解固溶させ、均一組織にした後、急冷する。
リベット等のような部品においては、作業性と、かしめ後割れ防止を目的として施される。 -
合成樹脂
プラスチックとは、可塑性があり、分子量が1万以上の人工的に造られた高分子物質である。
プラスチックは熱硬化性プラスチックと熱可塑性プラスチックの二群に大別される。
プラスチックという言葉が登場したのは、1920年頃ドイツのHシュタウディンガー博士が合成によって高分子化合物をつくる理論を世に発表してからである。
-
再結晶
塑性加工を受けた金属は、加工により硬く歪んだ結晶が、ある温度以上に加熱すると元の柔らかさに戻る。
これは、金属特有の現象で、歪んだ結晶が熱により正常な結晶に変化するためで、これを再結晶と言う。そして、再結晶が起こる温度のことを再結晶温度と言い、鉄の場合、350℃~450℃である。 -
最小引張強さ
保証荷重試験における最小引張応力のことで、規定されている最小引張荷重をねじの有効断面積で除した値。鋼製ボルトの保証荷重は、JIS B 1051に規定されており、ステンレス鋼製ボルトの最小引張強さはJIS B 1054に規定されている。
-
最大荷重
引張試験等において、ねじ部品・材料の耐えた最大の荷重。
-
最大引張破断荷重
引張試験において、試料の軸線方向に引き伸ばす荷重を加えたときに、試料が耐えた(破断した)ときの最大荷重。
-
三角穴
上面に三角形のくぼみがある頭で、 断面が三角形の専用工具を差し込んでねじを回す。
-
三角ねじ
ねじ山の形状が正三角形(山角度60°)に近いねじの総称で、一般の締結用ねじは殆ど三角ねじである。
-
三価クロメート
環境関連の規制の動きから(欧州ELV指令,WEEE指令,RoHS指令)、クロメートの代替として急速に普及してきている。
通常のクロメート同様、亜鉛めっき後にクロメート処理(化成被膜処理)を施した処理。
外観は、めっき浴や処理条件により、銀色~黄色みがかった色までバラツキがある。
耐食性は通常のクロメート並だが、薬品コストや管理コストに手間がかかるので、コスト的にはクロメートより高くなる。 -
酸素(O)
酸素(Oxygen)は、元素記号 O で表され、原子番号は8、原子量は約16、比重は0.001332(g/cc)である。無色無臭の気体で、酸素族に属する。空気の約1/5の体積を占める。化合物として水や岩石成分として存在し、地球上の存在量は約50パーセントで、第1位。
ステンレス鋼に添加されると、酸化物をつくり加工性を害する。 -
座金
被締結部材と小ねじ,ボルト,ナット等の座面との間に入れる部品。
-
四角穴
上面に四角形のくぼみがある頭で、断面が四角形の工具を差し込んでねじを回す。
-
締付トルク
ボルト,ナットの間に部材を挟み、仮締めから完了まで締め付ける際には、回すための力が必要となる。これがトルクで、その時に必要な力を締付トルクと言う。
一般に、普通のねじは、径が大きくなると締付けに大きなトルクを必要とするので、テコの原理で手を掛ける位置(力の作用点)がねじの中心から離れている方が、締め付けが容易である(力が少なくてすむ)ので、スパナの柄の長さは、ねじ径に応じて長くしてある。
ねじを締め付ける場合のトルク(T)は、生じる締め付け力(F)と、ねじの直径(呼び径:d)より、T(N・m)=KdFの関係。なお、Kは、トルク係数と呼ばれるもので、めっき・油等が関係するが、大体0.15~0.2のあたりとされている。 -
焼準
(Normalizing)焼ならしの目的は、組織の改善である。
高温で成形(熱間加工又は熱間鍛造)されたねじ部品は、高温からの冷却過程において、凝固速度が場所によって不均一であること、肉厚や熱間加工後の部分的温度の不同等の影響で、異常組織,結晶粒の粗大化及び不揃い等が起きる。
これを、変態点よりやや高い温度に再加熱して、空冷することによって、結晶粒は生まれ変わり、全体が微細な組織となり、強さと靭性等の機械的性質が向上し、残留応力も除去される。この操作のことを、「焼ならし」と言う。
-
焼鈍
(Annealing)焼なましの目的は、軟化と組織改善である。
焼なましの種類と方法には種々あるが、鋼を軟らかくして被削性や塑性加工性を改善、残留応力を除去、結晶粒や組織の調整、又は成分元素や不純物の偏析を拡散によって除去する等を総称し、焼入れ・焼戻しとともに最も多く運用される熱処理作業である。
その目的によって、完全焼なまし,球状化焼なまし,応力除去焼なまし等がある。
-
ショルダボルト
軸部の径がねじの呼び径より大きい(段付)のボルトのこと。
-
シングルヘッダー
1個のダイスと1個のパンチを持つ、1工程で加工を行う圧造機で、1回転で1個の単純形状の製品を作ることができる。
-
浸炭焼入れ
(Carburized quenching)一般に、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う。
鋼の場合、炭素濃度の高い表面付近は硬くて圧縮の残留応力をもち、また炭素濃度の低い内部は、靭性の高い低炭素マルテンサイトとなる。
これにより、強靭で耐摩耗の高い特性を与えることができる。反応ガスによるガス浸炭が主流であるが、最近は、処理後に光輝性をもつ真空浸炭、プラズマ浸炭なども利用されている。
自動車用部品等をはじめ、機械部品に最も広く応用・普及している。 -
真鍮
真鍮(しんちゅう)は、銅と亜鉛との合金で、特に亜鉛が20%以上のものを言う。加工しやすいので工業材料などとして幅広く用いられている。俗に、黄銅(おうどう)と呼ばれることも多い。
銅と亜鉛の割合によって、六四黄銅、七三黄銅と呼ばれ、六四黄銅では黄金色に近い黄色を示すが、亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、少なくなるにつれて赤みを帯びる。
亜鉛が20%未満の赤みの強いものは丹銅とよばれる。一般に亜鉛の割合が増すごとに硬度を増すが、もろさも増すため、45%以上では実用にはならない。
その他にも、被削性を高めるために鉛を添加した快削黄銅や、錫を添加し耐海水性を高めたネーバル黄銅などがある。
現在発行されている5円硬貨もこの素材で、また、金に似た美しい黄色の光沢を放つことから金の代用品にもされ、日本では仏具などに多用されている。
-
ジオメット
完全クロムフリーの表面処理技術で、金属フレークを層状に重ね、特殊無機バインダーにより結合した処理で、クロムだけではなく、鉛・ヒ素・カドミウム・水銀等の有害物質を一切含まない。
膜厚としては8ミクロン程度の薄い皮膜なので、ボルトなどの勘合も良好。 -
軸力
ボルト,ナット等で品物を締め付けたとき、ボルトの軸部に作用している引張力。
-
時効硬化
時効硬化とは、金属材料を低温中に放置しておくと硬くなる現象を言う。
-
十字穴
上面に十字形のくぼみがある頭で、一般的にはプラスと呼ばれている穴形状で、プラスドライバー(ねじ回し)でねじを回す。
-
樹脂
樹脂には、天然樹脂とそれを模して作られた合成樹脂とがある。
天然樹脂はアカマツやカラマツなどの樹木から分泌する粘度の高い液体で、それが空気に触れ酸化して固まったもの。(俗にヤニと呼ばれている)
合成樹脂とは、合成高分子化合物のなかでプラスチックとして使用されているものの総称 。
フェノール樹脂の原料は水飴状で外観と性状が天然樹脂に似ていたことから、最初日本では、これを『合成樹脂』と呼んだ。 -
靭性
金属材料に打撃のような急激な力が掛かる場合に、その力に対して抵抗する強さの事を言う。
-
スズ(Sn)
スズ(Tin)は、元素記号 Sn で表され、原子番号は50、原子量は約118.69、比重は7.30(g/cc)である。銀白色の固体金属で、炭素族に属する。低温では非金属の状態に転移することがある。延性・展性が良くスズ箔として多様に用いられてきた。
ステンレス鋼に添加されると、熱間加工性を害する。 -
スタッドボルト(植込みボルト)
軸の両端にねじを持つボルトで、一方(植込み側)を機械設備の本体にねじ込んだ後、部品を組合せ、固定するのに使用される。
-
ステンレス
ステンレス(ステンレス鋼)とは1912年に発明され、鉄に少なくとも12%以上のCrを含有した合金鋼の総称である。ステンレス鋼の比重(質量)は、7.7~8。(鋼種によって異なる。)
語源はステイン(Stain)しみ,汚れ、とレス(Less)より少ないとの造語で、錆びないということではなく、錆びにくい金属といえる。
鉄にCrを含ませると、鉄が酸化するよりも先にCrが酸化し、表面全体に酸化クロムの膜ができる。これが「不働態化皮膜」と呼ばれているものである。この膜は無色透明でとても薄いが、化学変化しにくいとても強固な物質である。また、密度が高く酸素を通さないので錆の発生を防ぐ。この不動態皮膜は加工・切断などでキズついても、Crがあれば空気中の酸素と結合してすぐ再生する。
添加元素の配合により数多くの種類があり、耐食、加工、磁性などそれぞれの特徴が強化され、より多くの用途に使用できるように改良されている。
めっきや塗装をしなくても良く、屋外や湿気のある場所、化学薬品を扱う機械器具、厨房設備、構造物、鉄道車両の外面などに用いらる。
俗にステンレス鋼は、ステンレスの略で「ステン」、SUSで「サス」などと呼ばれている。 -
スプリングワッシャー
一般的には、一巻のコイル状で、ばね性を持たせた座金。
-
すりわり
一般に「マイナス」と呼ばれている一文字の溝のことで、規格化されたねじの中では、初めに普及した形状でもある。マイナスドライバーを使用する他、コインを用いて回すよう意図されたものもある。
-
製造工程
<一般ねじ>
線材 → 圧造 → 洗浄 → 研磨 → 転造(タッピン) → 洗浄 → 検査 → 包装
<六角ボルト>
線材 → 圧造 → トリーマ → 先付 → 転造 → 洗浄・研磨 → 転造 → 洗浄 → 検査 → 包装 -
切削加工
素材から切る,削る,開ける等の作業から形を作る加工のことで、挽き物,削り物とも言われる。
製品寸法に適した棒材の丸材,六角材,四角材等の材料を、工作機械のチャックで固定し、それを回転させながら切削工具によって切削したり穴開け加工する方法で、近年はNC旋盤でプログラム制御による自動切削が普及している。
切屑が出る,歩留まりが悪い,量産性が悪い事等が欠点ではあるが、少量時、サンプル品等の冷間加工等が困難、又は採算上不利な場合に利用される。 -
セルフドリリングスクリュー
ドリリングねじ、セルフドリリングスクリュー、ドリルねじなどと呼ばれる。タッピンねじでは必要となる下穴が不要で、先端に持つドリルにて自らが下穴をあけ、ねじ込み・締結ができるねじ。
-
せん断応力(せん断強さ)
ボルト等の軸と直角方向に荷重をかけて、せん断力が作用するときに生じる応力。これは断面に沿って接線方向に生じるので接線応力とも言う。一般に、せん断強さ(片持ちせん断の場合)は、引張強さの60~80%程度。
-
脆性
部品・材料の脆さを言い、伸びを伴わずに破断する性質。
例えば、加熱による化合物の析出や冷却による延性の低下で脆くなる状態。 -
塑性加工
材料に適当な方向と大きさをもつ外力を加えて、その可塑性を利用して切りくずを出さずに目的の形状を得る加工方法である。このとき、加工硬化と、連続したメタルファイバーの形成により、削り加工にない強度を得ることができる。
-
皿キャップボルト
六角穴付き皿頭のボルト。
-
耐力(下降伏点)
引張試験において、ボルト等に0.2%の永久伸びを生ずるであろうと言う点の応力を言い、降伏点に代えて用いられる。規格では、引張強さの60%(強度区分:4.6~5.6),80%(強度区分:4.8~9.8),90%(強度区分:10.9~12.9)と便宜上決めている。
-
多条ねじ
リードがピッチの2以上の整数倍に等しい(1回転でピッチの整数倍分移動する)ねじ。
-
多段ヘッダー
多段式とは、一般的には4段以上の成形段数(4個のダイスと4個のパンチ)を備えた圧造機(パーツホーマー)のことで、段数が多い程、より複雑な形状の加工が可能となる。
-
タッピンねじ
めねじ加工のされていない、且つ、ねじの直径よりも小さい下穴に直接ねじ込むことで、相手部材に自らねじ立てをしながら締結できるねじの総称。
先端の形状には、コーンタイプとフラット(テーパー)タイプ等があり、ねじのピッチには、小ねじと互換性のあるものと、それよりも粗いピッチのものとがある。
対鋼板用としては、熱処理を施し、ねじ山の硬さを確保することが必要となる。 -
タップ
ねじ立ての工具で、ねじ外径より小さい下穴をあけた部材にめねじを成形するのに用いられる。切削タイプと転造タイプがある。
-
タングステン(W)
タングステン(Tungsten)は、元素記号 W で表され、原子番号は74、原子量は約183.85、比重は19.3(g/cc)である。光沢ある灰色の固体で、クロム族に属する遷移元素の1つ。重石として中国に多産する。
ステンレス鋼に添加されると、強力な炭化物をつくり、焼き戻し抵抗性を増し、熱間硬さ,強度を増す。 -
炭素(C)
炭素(Carbon)は、元素記号 C で表され、原子番号は6、原子量は約12.01、比重は2.25(g/cc)である。炭素族に属する。同位体が存在し、炭素12は原子量の基準とされる。ダイヤモンド・黒鉛・無定形炭素の三種の同素体が天然に産する。化学的に安定で通常の溶媒に溶けず、酸・アルカリにもおかされない。
ステンレス鋼に添加されると、オーステナイト結晶粒界にCr炭化物を析出し、粒界腐食を起こす。種々の元素と化合物をつくり、硬さ,強度を増す。 -
ダクロ
ダクロタイズド処理とも呼ばれ、金属亜鉛フレークと無水クロム酸,グリコールなどの溶液中に加工物を浸漬したのち加熱処理することにより、数十層に銀白色の皮膜を形成させる処理。
皮膜は、亜鉛粒子のコントロールされた自己犠牲保護作用と、クロム酸による素地面の不働態化、および亜鉛フレークとクロム化合物の障壁作用にて、優れた耐食性を示すが、環境への配慮から、ダクロからジオメット(ノンクロム化)への切り替えが進んでいる。 -
チタン(Ti)
チタン(Titanium、チタニウム)は、元素記号 Ti で表され、原子番号は22、原子量は約47.90、比重は4.54(g/cc)である。名前はギリシャ神話の巨神族ティタン(タイタンとしても知られる)に因む。銀灰色の遷移元素で、チタン族に属する。純粋なものは耐食性が高く、展性、延性に富み、引張強度が大きい(硬くて粘り強い(じん性が高い))。空気中では常温で酸化被膜を作り内部が保護される。遷移金属としては鉄に次いで地殻中に豊富に存在する。原子価は、2価・3価または4価である。
チタンの合金は、航空機の材料などに利用される。また、その軽さ、優れた機械的性質、生体組織との親和性の高さなどの理由により、人工歯根や人工関節などにも用いられる。 非磁性。
ステンレス鋼に添加されると、安定した炭化物をつくり、オーステナイト系ステンレス鋼の粒界腐食を防止する。耐クリープ強度を増す。結晶粒を微細化する。しかしO,Nと化合しやすく清浄度を害しやすい。 -
窒化
鋼の表面層に窒素を浸透させて、表面に窒素化合物の硬化層を作り硬くする表面硬化法。
-
窒化処理
材料の表面に窒素を侵入/拡散させ、窒素化合物を形成させて硬化させる方法である。
主に、耐摩耗性および耐疲労性が向上する。 -
窒素(N)
窒素(Nitrogen)は、元素記号 N で表され、原子番号は7、原子量は約14.01、比重は0.001165(g/cc)である。無色・無味・無臭で、窒素族に属する。常温では不活性。高温で多くの元素と反応する。
ステンレス鋼に添加されると、オーステナイト系ステンレス鋼の耐力を上昇させる。高温強度を増すが、低温のじん性を害する。 -
蝶ボルト
頭部に蝶が羽を開いたような形状を持つボルトで、工具を使用せずに手での締付けや取外しを目的に使用される。
-
鉄(Fe)
鉄(iron)は鉄族に属する遷移元素の1つで、元素記号 Feで表され、原子番号は26、原子量は約55.85、比重は7.87(g/cc)である。強磁性または常磁性を示し、いずれも延性・展性に富む。湿気のない空気中ではさびない。
日本語では、黒い錆を生じる事や、しろがね(銀)より輝きが劣る事からくろがね(黒い金属)と呼ばれていた。また、人類にとって最も身近な金属元素の一つで、様々な器具、構造物に使われる。鉄器時代以降、鉄は最も重要な金属の一つであり、産業革命以降、ますますその重要性は増している。
一般的に鉄(テツ)と呼ばれているのは、Feの他2%以下のC(炭素)を含んだ鉄の合金で、鋼または鉄鋼と呼ばれている。この炭素の含有量によって、純鉄、鋼(0.03~1.7%)、銑鉄(1.7%)などと呼び分けられている。 -
転造
加工物(ねじブランク)を型(転造ダイス)に挟んで、圧力を加えながら転して加工する一種の圧延加工のことを転造と言う。一般に市販されているねじの多くは、この転造法で加工されており、ねじ山を塑性変形にて成形するので、切り屑が出ない上、加工に伴いねじ山の表面は加工硬化し、高強度なねじとなる。平ダイス式,丸ダイス式,プラネタリ式(ロータリー式)等の種類がある。
-
テーパねじ
ねじ山が円錐の外周部又は内周部に成形された、ねじ部の耐密性を主目的として用いられるねじのことで、管用部品,流体機器などの接続に使われる。
-
ディスゴ
クロムフリーの表面処理技術で、燐片状亜鉛を主成分とするベース塗料を塗布してから、有機(エポキシ)または無機(珪酸塩)の樹脂を主成分とするトップ塗料を塗布、加熱乾燥させた処理。
クロム・鉛・カドミウム等の有害物質を一切含まない。 -
電解研磨
金属を特定溶液中で陽極電流を流すと、製品表面が溶解し、金属表面に溶解した金属濃度の高い溶液の層ができる。この層は、金属表面の凹部で厚く、凸部で薄くなる。電流は最も電気の流れやすいところを流れるので、層の薄い凸部で多くの電流が流れる。金属は電流の多い部分で溶解が促進されるので、凸部が溶解することになり、金属表面の粗さは小さくなり、平滑で光沢が得られる。
鉄・アルミニウムの下地処理やステンレス鋼の仕上げ処理として利用されている。 -
電食
異種金属が接触して通電性の液に浸された場合、低電位な金属が+、高電位な金属が-となり、局部電池を構成して+側の金属がイオン化し腐食する。この腐食を起電腐食または、電気化学的腐食と言い、一般的には電食と呼ばれている。
-
とがり先
ねじ先端部を円すい状に加工し尖らせたもので、止めねじ等に用いられる。
-
塗装
ねじに塗料を吹き付け、加熱して密着させる。多彩なカラー化が容易であり、吹付け塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装等がある。
ねじは締め付けた後、頭部しか見えないことが多いため、ほとんどが頭部のみを塗装する。 -
止めねじ
六角穴付き・すりわり付きの頭部のないねじと四角頭とがあり、ねじの先端部にて機械部品等の固定・位置決めに使用される。
先端の形状には、平先,とがり先,棒先,くぼみ先,丸先などがある。
ホーローセットと呼ばれるようになったのは、穴・くぼみ ⇒ hollow、止めねじ ⇒ Set Screw、
Hollow Set Screw ⇒ Hollow Set ⇒ ホーローセットと短縮されていったことに由来している。
-
トラス(頭)
割球状で、意匠重視の部位に多く用いられる頭部形状で、なべ頭より高さが若干低く、外径の大きい頭。
-
トリミングマシン
ヘッダー加工されたボルトブランクの頭部を、六角または、四角等の形状に打抜き加工する機械。
-
トルク係数
ねじを締め付ける場合のトルク(T)は、生じる締め付け力(F)と、ねじの直径(呼び径:d)より、T(N・m)=KdFの関係で示される。
この(K)が、トルク係数と呼ばれるもので、めっき・油等が関係するが、大体0.15~0.2のあたりとされている。 -
銅(Cu)
銅(Copper)は遷移元素の1つで、元素記号 Cu で表され、。原子番号は29、原子量は約63.54、比重は8.96(g/cc)である。光沢ある赤色の金属で、銅族に属する。展性や延性が良く、また熱・電気の伝導度は銀に次ぐ。
ステンレス鋼に添加されると、大気中,海水中での耐食性を改善する。ニッケルとともに添加すると効果が倍増する。 -
ドブめっき
溶融亜鉛の槽を『ドブ』にたとえ、この中に浸し、めっきすることから、ドブめっきと呼ばれている。鉄鋼部品の防食用として用いられ、コストの割にはめっきの皮膜が厚く、耐食性,耐久性に優れているが、表面の粗さや外観は電気めっきに比べ劣る。
また、めっき槽をテンプラ鍋に見立てて、「テンプラめっき」と表現される場合もある。
溶融アルミニウムめっきも同様の方法で行うが、一般的にドブ(づけ)といった場合には、溶融亜鉛めっきを指す。 -
ドリリングねじ
セルフドリリングスクリュー、ドリルねじとも呼ばれる。タッピンねじが必要としている下穴が不要で、先端に持つドリルにて自らが下穴をあけ、ねじ込み・締結ができるねじ。
-
鉛(Pb)
鉛(Lead)は、元素記号 Pb で表され、原子番号は82、原子量は約207.19、比重は11.34(g/cc)である。青白色の軟らかい固体金属で、炭素族に属する。空気中では表面に丈夫な酸化被膜をつくり安定。
ステンレス鋼に添加されると、被削性を増す。オーステナイト系ステンレス鋼では熱間加工を困難にする。 -
並目ねじ
直径とピッチとの組合せが一般的で、最も普通に使用されているピッチを持ったねじ。
-
二条ねじ
リードがピッチの2倍に等しい(1回転でピッチの2倍分移動する)ねじ。
-
ニッケル(Ni)
ニッケル(Nickel)は、元素記号 Ni で表され、原子番号は28、原子量は約58.71、比重は8.90(g/cc)である。銀白色の強磁性固体金属で、鉄族に属する。地球の中心部はニッケルと鉄の合金が主体となっていると考えられている。
オーステナイト系ステンレス鋼の基本元素で、耐食性,熱間強度を増す。 -
ニッケルめっき
ニッケルめっきは優れた光沢を持ち、色調も良く変色しにくいので、装飾用として広く用いられている。
しかし、電気亜鉛めっき+クロメート処理ほどの防錆力はなく、また空気中でわずかに変色するので、耐食性と美観向上のため、仕上げにクロムめっきを施される場合が多い。 -
ねじ
ねじ山を持った、ねじ部断面が円形(非円形もあるが)の物体。外来語ではないため、『ねじ』と平仮名で書くが、正確には『ねじ部品』のことで、色々な物と物とを締結したりするのに用いられる、ねじ山を持った品物の総称をいう。
代表するものには、ボルト,ナット,小ねじ,タッピンねじ,木ねじがあるが、業界では『ねじ部品』とは殆ど言われない。捻子,螺子,ビス(フランス語のVIS),スクリュー(英語のscrew)等、色々な呼び名があるが、『ねじ』と呼ぶのが一般的。 -
ねじの頂
ねじ山の両側のフランクを連絡する面で、おねじでは最も外側に,めねじでは最も内側にある部分。山の頂ともいう。
-
ねじの強度区分
ねじの強さを表すものとしては、引張強さ,硬さ,降伏点または耐力,保証荷重等があるが、おねじの強さには一般的に強度区分が用いられる。
鋼製ねじ部品の場合、以前は『4T』,『5T』等のように、数字1桁とTの記号で表示されていたが、現在は『4.6』,『8.8』のように、数字のみに表示変更された。これらの数字・記号の意味は、以下のようになる。
『4T』,『5T』の表示・・・最初の数字は、最小引張強さをkgf/mm2で表した数字の1/10の値を示し、2番目のTは、tensile strength(引張強さ)を頭文字を意味している。従って、4Tというのは、引張強さの最小値が40kgf/mm2を示すことになる。
『4.6』,『8.8』の表示・・・最初の数字は、最小引張強さをN/㎟で表した数字の1/100の値を示し、2番目の数字は、下降伏点または耐力と引張強さとの比の10倍の値を示し、下降伏点または耐力が引張強さの何%あるかということを表す。従って、4.6というのは、引張強さが400N/㎟で、下降伏点または耐力が400N/㎟の60%=240N/㎟ということを示すことになる。
ステンレス鋼製ねじ部品の場合は、材料の鋼種区分と強度区分を組合せた性状区分で表し、『A2-70』のように表示され、これらの数字・記号の意味は、以下のようになる。
『A2-70』の表示・・・最初の2桁の文字 及び 数字は鋼種区分を示し、後ろの強度区分を示す2桁の数字は、最小引張強さをN/㎟で表した数字の1/10の値を示す。従って、A2-70というのは、オーステナイト系ステンレス鋼A2(SUS 304,SUS 305,SUS XM7他)を用いて冷間加工した引張強さ700N/㎟以上のものを示すことになる。 -
ねじの呼び
ねじの形式,直径及びピッチを表す呼び記号で、例えば、M10は外径が10mmのメートル並目ねじ、M10×1.25は外径が10mmでピッチが1.25mmのメートル細目ねじを表す。
-
ねじ溝
二つの隣り合ったフランク間の谷の空間部分。
-
ねじ山
二つの隣り合ったフランク間のねじ山自身の実体部分。
-
ねじり強さ
ねじ部を固定し、頭部にトルク(回転力)を加えて破断したときのトルクのこと。
-
熱間圧造
加熱した材料を加工する方法で、熱を加えてやると柔らかくなり、さらに加工しやすくなるという性質を利用して材料の変態点(金属組織が変わる温度)よりやや高く、材料が溶け始める温度より低い温度に加熱するが、あまり高温に上げすぎると、溶融することもあるので適当な温度を選ぶことが大切である。
高温での加工は、加工による硬化も直ちに焼なましされ軟化するので、加工度,加工速度を高めることができる。
熱間鍛造、高温圧造とも言う。 -
熱可塑性
合成樹脂の性質のひとつで、加熱すると柔らかくなり、冷やすと硬くなる性質のことで、一度硬くなったものでも、再度熱を加えると容易に軟らかくなる。
代表的な種類:塩化ビニール樹脂,ポリエチレン,ポリカーボネイト,ABS樹脂,ポリアミド(ナイロン) -
熱可塑性プラスチック
成形前の材料は、通常、ペレットと呼ばれる粒状であり、加熱すると柔らかくなり冷やすと硬くなる。
射出成形では、加熱シリンダーで材料を液状に柔らかくし、金型に高い圧力で射出し、金型内で冷却・固化させる。
熱可塑性プラスチックは、成形で固化した物を加熱すると柔らかく成るので、成型品を粉砕して再利用することが出来、これは何度でも繰り返すことが出来る。
しかし、再利用の度に物性が低下するので、再利用はバージン材と混合して使うのが一般的である。
材種としては、塩化ビニル樹脂,ポリエチレン,ポリスチレン,ABS樹脂,アクリル樹脂,ポリプロピレン他数多くあり、生産量が多く物性が優れている、変性PPE,ポリカーボネート,ポリアミド,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレートは5大汎用エンプラと呼ばれている。 -
熱硬化性プラスチック
成形前の材料は液状または固体状であり、室温あるいは加熱することで流動性を示し、成形のために硬化剤や触媒の添加あるいは加熱を続けることで硬化する。
一度硬化した熱硬化性プラスチックは、再び加熱しても柔らかくならない。(再成形が出来ない)
材種としては、フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタンが代表的である。 -
熱処理
材料に、加熱、冷却など特定の熱履歴を与えることにより、所要の性質および状態を付与する加工方法である。焼入れ、焼なまし、焼戻しなどは、熱処理の代表的なものである。
ステンレス鋼製ねじにおいては、加工前に固溶化熱処理が行われ、また高張力ボルト、六角穴付きボルト、セットスクリュー、自動車用特殊鋼ボルト、タッピングねじなどは、原則として成形後に焼入れ焼きもどしを施し、所定の強度と靭性(粘り強さ)を得る。 -
粘り強さ
金属材料に打撃のような急激な力が掛かる場合に、その力に対して抵抗する強さの事を言う。
-
破壊強さ
材料試験において、応力を材料の降伏点以上に増して行くと、ひずみ硬化によって応力はひずみの増加とともに増して行き、遂に破壊点に達する。このようにして、試験片が破壊するまでに現われる公称応力の最大値を破壊強さ、または極限強さと言う。
-
破断トルク
ねじ部を固定し、頭部にトルク(回転力)を加えて破断したときのトルクのこと。
-
半棒先
ねじ先端部に円筒部を付けたもので、その長さはねじの呼び径の1/4程度のもの。
-
バインド(頭)
丸い上面と側面にテーパーの付いた径の大きな頭部形状。
-
バナジウム(V)
バナジウム(Vanadium)は遷移元素の1つで、元素記号 V で表され、原子番号は23、原子量は約50.94、比重は6.0(g/cc)である。灰色の固体金属でバナジウム族に属する。存在量はわずかだが地表に広く分布。耐食性が大きく、普通の酸・アルカリとは反応しにくい。
ステンレス鋼に添加されると、焼戻し抵抗性を増し、じん性,強度を増す。また炭化物をつくり、耐クリープ性を改善する。 -
バリ
広義な使われ方をする言葉であるが、金属等の切断時、切口に残るギザギザの突起物もバリの一種。
-
バレル研磨
比較的小型の品物を研磨補助材やけい砂等の研磨剤と共に回転容器の中に入れて研磨する方法で、タンブリング・回転研磨とも言われ、一回の処理で多量の商品のバリ取り,粗・中・仕上げ研磨ができるのが特徴。
-
パシベート
日本語では『不動態化処理』と呼ばれている。
ステンレス鋼でも通常の状態では活性状態であり、酸化する(錆びる)。しかしステンレス鋼では、普通の鉄のように酸化鉄になるのではなく、酸化クロムになり、この酸化クロムが保護皮膜の役目をし、それ以上の酸素との接触(酸化)を防ぐ。
この酸化クロムの皮膜は自然の状態でも生成するが、これを強制的に生成させると、より緻密で強固な皮膜ができる。この強制的に皮膜を生成させる処理がパシベート処理である。 -
パーカー
リン酸塩皮膜処理ともいい、リン酸亜鉛またはリン酸マンガンの黒灰色の化成皮膜を形成させる方法を総称していいます。
防錆力は弱く、『生地よりはまし』程度で、油っぽくべたつきがあります。 -
比重
比重(ひじゅう)とは、ある物質の質量と、それと同体積の基準となる物質の質量との比。通常、固体及び液体については水(温度を指定しない場合は4℃)、気体については、同温度、同圧力での空気を基準とする。
比重が水の1よりも大きい物質は水に沈み、1よりも小さい物質は水に浮く。 -
比重と密度
密度=(質量)÷(体積)で、一般的に密度と言えば、単位体積あたりの質量のこと。通常の水(内陸部)の約4℃での大気圧下の空気等が解けていないときの密度は0.999972g/cm3で、ほとんど1.0g/㎤であるから、比重と密度の値は、CGS単位系で表すと,数値的にほぼ同じ値となる。
密度と比重は混同されるが、密度は質量と体積の関係であり、比重は水と比べた量であるという点で異なったものである。よって、物質が水に浮く沈むというのは、密度ではなく、比重によって決まる。 -
左ねじ
頭部方向から見て反時計回り(左回り)に回したときに、人から遠ざかるようなねじ。
-
引張応力(引張強さ)
引張試験での最大荷重応力のことで、ねじ部品の耐えた最大荷重(最大引張破断荷重)をねじ部の有効断面積又は、材料の破断部位での断面積で除した値。
ただし、ボルト等の場合は、破断位置に関係なく、そのときの最大荷重をねじ部の有効断面積で除した引張強さを求める。引張強さの単位は、 N/㎟(Kgf/㎟)
-
引張荷重
引張試験において、軸線方向に引き伸ばすように働く荷重。
-
表面硬化処理
鉄鋼の表面層を硬化するために行なう浸炭焼入れ,窒化,高周波焼入れ,炎焼入れ等の操作。
-
平先
ねじ先端部に約45°の面取りを施し、且つ、端面を平らに加工したもの。
-
ピッチ
互いに隣り合うねじ山の相対応する2点間を軸線に平行に測った距離。
-
フェライト系
結晶組織がフェライト系ということ。鉄が 911℃ 以下でとる相 (つまり常温での鉄の相) である、フェライト (α相) の組織を持っている。
基本成分は、18Crで、SUS430がこの代表鋼種である。
耐食性はマンテルサイト系ステンレス鋼よりは優れている。
ねじ等にも使われているが、特徴のひとつでもある熱の大きな変化に対しての繰り返しストレスに強いので、特に熱を利用する機器での使用が多く、熱交換器・温水漕・厨房機器・建築金物等に多く使用されている。
ただし、高Crステンレス鋼は、475℃ 近傍で長時間加熱保持した場合、もろくなり加工中に割れを生じやすいので、注意が必要である。
熱処理により硬化はせず、加工性、伸延性に優れている。
強磁性である。 -
部品等級
部品の公差の大きさを、A,B,Cの記号で表すもので、等級Aが最も厳しく、等級Cが最も緩くなっています。
-
ブラインドリベット
一般のリベットは、穴をあけた2枚の締結部材に軸部を差し込み、軸端面をかしめて締結するが、ブラインドリベットは、専用工具を用いて、片側からの作業で締結できるよう省力化を図ったもの。
-
ブラックアエン
黒色クロメート、ブラックアエン、アエングロなどという。
亜鉛めっき後に、硝酸銀などを含んだ溶液でクロメート処理(化成被膜処理)をすると黒色になります。
被膜は厚いのですが、銀(硝酸銀)を成分として含むため、耐食性はクロメート程度です。
見た目が黒色なので、黒色を要求される部品によく利用されています。
-
ブランク
材料から圧造又は切削加工しただけのねじ転造前の中間製品。もしくは、ねじ転造後の製品において、後加工(成形等)のないものを言う場合もある。
-
ブロンズ
ステンレス鋼に熱加工による酸化着色を行なった色の代表色。
温度を変えることにより色の濃淡が変わるので、薄黄色から茶色,紫まで様々な色を出すことができる。
しかし熱による着色なので、温度のバラツキ,処理量により色が若干ばらつく。 -
プラスチック
プラスチックとは、可塑性があり、分子量が1万以上の人工的に造られた高分子物質である。
プラスチックは熱硬化性プラスチックと熱可塑性プラスチックの二群に大別される。
プラスチックという言葉が登場したのは、1920年頃ドイツのHシュタウディンガー博士が合成によって高分子化合物をつくる理論を世に発表してからである。 -
白金(Pt)
白金(Platinum)は遷移元素の1つで、元素記号 Pt で表され、原子番号は78、原子量は約195.09、比重は21.45(g/cc)である。銀白色の金属で、白金族に属する。化学的に安定で王水以外の酸に不溶。酸素・水素を吸収して活性化するので酸化還元触媒として用いられる。
-
平行ねじ
ねじ山が円筒の外周部又は内周部に成形された、機械的結合を主目的として用いられる一般的なねじのこと。
-
ヘクサロビュラ(穴)
ねじ込み・取り外しには、専用工具を必要とするいじり止め機能を有する穴形状で、6溝が放射状に存在する。
-
ヘッダーポイント
ヘッダー加工時に形成される面取りされた先端のこと。
-
ホウ素(B)
ホウ素(Boron)は、元素記号 B で表され、原子番号は5、原子量は約10.81、比重は2.3(g/cc)である。ホウ素族に属する。硬くて脆い黒色固体元素であり、ダイヤモンドに次いで硬い。
ステンレス鋼に添加されると、粒界に析出し熱間強度を増す。微量添加で耐クリープ性を増すが、O,Nとの親和力が強く安定した添加が困難である。 -
保証荷重
引張試験機によって、規定されている保証荷重を試料の軸方向に作用させ、その荷重を15秒間保持し、除荷したとき、荷重負荷の前と後との状態変化を検証する際に用いられる荷重のこと。
各ボルトの保証荷重は、JIS B 1051に規定されている。 -
細目ねじ
並目ねじに比べて直径に対するピッチの割合が細かいねじ。
-
ホーローセット
六角穴付き・すりわり付きの頭部のないねじと四角頭とがあり、ねじの先端部にて機械部品等の固定・位置決めに使用される。
先端の形状には、平先,とがり先,棒先,くぼみ先,丸先などがある。
ホーローセットと呼ばれるようになったのは、穴・くぼみ ⇒ hollow、止めねじ ⇒ Set Screw、Hollow Set Screw ⇒ Hollow Set ⇒ ホーローセットと短縮されていったことに由来している。 -
棒先
ねじ先端部に円筒部を付けたもので、その長さはねじの呼び径の1/2程度のもの。
-
ボタンキャップボルト
半球面のボタン形状に似た頭部を持つ六角穴付ボルトで、意匠重視の部位に使用されることが多い。
-
ボルト
一般に、ナットと組み合わせて用いるおねじの総称。
-
マグネシウム(Mg)
マグネシウム(Magnesium)は、元素記号 Mg で表され、原子番号は12、原子量は約24.31、比重は1.74(g/cc)である。銀白色で展性に富む。海水中には陽イオンとしてナトリウムに次いで多量に含まれる。
産業用の金属,非鉄金属の中で最軽量であり、リサイクルに要するエネルギー消費が少ない循環型素材として用途拡大が進んでいる。 -
丸先
ねじ先端部に丸みを付けたもの。
-
マルテンサイト系
結晶組織がマルテンサイト系ということ。
高温のオーステナイト状態の鋼を常温近傍まで一定の冷却速度以上の速度で急冷した場合、フェライトの格子を少しゆがませた状態 (フェライトの構造を引き伸ばしたような状態) に変態してマルテンサイト組織になる。
なお、マルテンサイト変態とは、原子が長距離 (長距離というのはあくまでまで便宜上の表現) を移動せずに、わずかな位置の移動で結晶構造を変える変態のことである。マルテンサイト系はこのマルテンサイト変態でできた相のものである。
基本成分は、13Cで、SUS410がこの代表鋼種である。
この鋼種は焼入れによる硬化性が優れているので耐摩耗製品に使われることがある。また、焼戻しをすることにより、高強度、伸延性および靭性を得ることができるので、ドリルねじ,ボルト,刃物,ベアリング,ブレーキディスク,バルブなどにも多く使われている。
しかし、耐食性が他の鋼種に比べると劣るため、取り扱いや、使用環境には注意が必要である。
大気中で加熱した場合の耐酸化性がよく、500℃ までの温度に耐え、耐熱用としても使用されている。溶接は焼き割れを生じやすいので注意が必要。
強磁性である。 -
マンガン(Mn)
マンガン(Manganese)は、元素記号 Mn で表され、原子番号は25、原子量は約54.94、比重は7.43(g/cc)である。純粋なものは銀白色で、鉄より硬いが、非常にもろい。マンガン族に属する。空気中で速やかに酸化し、被膜をつくる。
ステンレス鋼に添加されると、イオウ等と化合物をつくり被削性を増す。また赤熱ぜい性を防止する。 -
右ねじ
頭部方向から見て時計回り(右回り)に回したときに、人から遠ざかるようなねじで、一般の締結用ねじは殆どが右ねじである。
-
ミニチュアねじ
時計,光学機器,電気機器,計測器などに用いられる呼び径が小さい(0.3~1.4㎜)ねじ。
-
めねじ
ナットのように、ねじ山が円筒の内側にあるねじ。
-
面取り先
ねじ先端面は圧造時の材料切断のままで、先端部に約45°の面取りを施したもの。
-
面取り部
おねじとめねじが嵌合しやすいよう、ねじ先端部に設けた面取り部分。
-
メートル並目ねじ
メートルねじで並目のピッチを持つ一般的なねじ。
-
メートルねじ
ISO(国際標準化機構)が国際規格として採用した直径及びピッチをミリメートルで表したねじ山の角度60°の三角ねじで、並目と細目があり、広く普及しているねじ。
-
メートル細目ねじ
メートルねじで並目より細かいピッチを持つねじで、ピッチは必要に応じて何種類かの中から選択できる。
-
木ねじ
頭部側にねじが切られていない円筒部と、先端部が木材にねじ込むのに適した尖った鋭角な先端形状を持つねじ部からなり、下穴なしで木材に容易にねじ込むことも可能ではあるが、木材の割れを防ぐためには下穴をあけた方が好ましい。
-
モリブデン(Mo)
モリブデン(Molybdenum)は、元素記号 Mo で表され、原子番号は42、原子量は約95.94、比重は10.2(g/cc)である。銀白色の固体金属で、クロム族に属する。植物の窒素同化に必要であるほか、いくつかの酸化還元酵素の触媒作用に必要であるなど、生体にとって重要である。
常温では体心立方構造であるが、高温では転移する。室温では空気中で酸化被膜が出来て安定、塩酸にも硫酸にも溶けない。
ステンレス鋼に添加されると、塩化物イオンに対し耐食性を改善する。また熱間強度,耐酸性,耐クリープ性を増す。
-
焼入れ(Q)
焼入れ(Quenching)鋼を硬化し、または、強さを増加するため、ある温度に加熱した後、適当な触媒中(ガス,油,水等)で急速に冷却する操作を言う。
硬く強度が非常に大きくなるが、脆いため、通常は必ず焼戻しを行なう。 -
焼付き防止コート
ステンレス鋼は熱伝導率が低く熱膨張係数が大きい、また摩擦係数が大きいため、締め付け作業を行うと、その摩擦熱により焼付きが発生し、おねじとめねじが互いに食い込んで回せなくなる状態が起こる場合がある。
それを防ぐために、表面にフッ素樹脂等をベースにした潤滑被膜を施す処理を一般的に焼付き防止処理と呼び、弊社Mコートのように各社独自の名前が付けられている。 -
焼なまし(A)
(Annealing)焼なましの目的は、軟化と組織改善である。焼なましの種類と方法には種々あるが、鋼を軟らかくして被削性や塑性加工性を改善、残留応力を除去、結晶粒や組織の調整、又は成分元素や不純物の偏析を拡散によって除去する等を総称し、焼入れ・焼戻しとともに最も多く運用される熱処理作業である。
その目的によって、完全焼なまし,球状化焼なまし,応力除去焼なまし等がある。 -
焼ならし(N)
(Normalizing)焼ならしの目的は、組織の改善である。高温で成形(熱間加工又は熱間鍛造)されたねじ部品は、高温からの冷却過程において、凝固速度が場所によって不均一であること、肉厚や熱間加工後の部分的温度の不同等の影響で、異常組織,結晶粒の粗大化及び不揃い等が起きる。
これを、変態点よりやや高い温度に再加熱して、空冷することによって、結晶粒は生まれ変わり、全体が微細な組織となり、強さと靭性等の機械的性質が向上し、残留応力も除去される。この操作のことを、「焼ならし」と言う。 -
焼戻し(T)
(Tempering)焼入れにより硬く脆くなった鋼に、靱性(粘り強さ)を与える処理で、鋼をある温度に加熱して急冷する。焼戻しだけということは殆どなく、「焼入れ」+「焼戻し」→(調質)で処理するのが一般的。
焼戻し温度が低いほど鋼は硬くなるが、脆いので、強度をあまり落とさないで靭性を高めるための処理温度として、以下の2種類がある。
低温焼戻し・・200℃前後(耐摩耗性を高める)
高温焼戻し・・400~600℃(強度と靭性を高める) -
(25.4㎜につき)山数
1インチ(25.4mm当たりの)をピッチで割った値。
-
有効径
ねじの谷の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な円筒の直径。
-
ユニクロ
光沢クロメートのことで、亜鉛めっき後に、フッ化物を含んだ溶液でクロメート処理(化成被膜処理)を施す。
外観は青みがかった銀色で、美観はあるが、耐食性は有色クロメートより劣る。 -
ユニファイ並目ねじ
メートルねじ同様、ISO(国際標準化機構)が国際規格として採用したねじ山の角度60°の並目のインチねじ。
-
ユニファイ細目ねじ
ユニファイねじで並目より細かいピッチを持つねじ山の角度60°の細目のインチねじ。
-
溶融亜鉛めっき
溶融亜鉛の槽を『ドブ』にたとえ、この中に浸し、めっきすることから、ドブめっきと呼ばれている。鉄鋼部品の防食用として用いられ、コストの割にはめっきの皮膜が厚く、耐食性,耐久性に優れているが、表面の粗さや外観は電気めっきに比べ劣る。
また、めっき槽をテンプラ鍋に見立てて、「テンプラめっき」と表現される場合もある。
溶融アルミニウムめっきも同様の方法で行うが、一般的にドブ(づけ)といった場合には、溶融亜鉛めっきを指す。
-
呼び径
ねじの寸法を代表する直径で,主としておねじの外径の基準寸法が使われる。
-
呼び長さ
おねじ部品の長さを表す代表的寸法で、一般ねじの場合は、首下(座面)からの長さを呼び長さとするが、部品によっては寸法の取り方が多少異なる。
-
ラスパート
金属亜鉛層,化成皮膜層,セラミック材を使用した表面焼成層の3層からなる防錆皮膜のことであり、一般的な表面処理のように単一物質による防錆ではなく、耐食性,耐熱性,耐酸性,耐アルカリ性に優れている。
-
リベット
頭付きの部品で、穴をあけた2枚の締結部材に軸部を差し込み、端面をかしめて締結する。
-
緑色クロメート
亜鉛めっき後にクロメート処理(化成被膜処理)を施した処理です。
外観はカーキ色ですが、形状により化学反応の差が出、赤みを帯びた緑~深緑色になります。
被膜が厚く(六価クロム含有量が多い)、耐食性に優れています。 -
リン(P)
リン(phosphorus)は、元素記号 P で表され、原子番号は15、原子量は約30.97、比重は1.82(g/cc)である。常温では固体で、同素体として黄リン・黒リンのほか赤リンなどがある。窒素族に属する。
ステンレス鋼に添加されると、熱間強度を害し、機械的性質を劣化させるが、オーステナイト系ステンレス鋼に適量加えると熱間強度を増す。 -
燐酸塩皮膜処理
パーカー処理ともいい、リン酸亜鉛またはリン酸マンガンの黒灰色の化成皮膜を形成させる方法を総称していいます。
防錆力は弱く、『生地よりはまし』程度で、油っぽくべたつきがあります。
-
リード
ねじのつる巻き線に沿って軸の回りを一周するとき,軸方向に進む距離のことで、一条ねじの場合はリードとピッチが同一となり、多条ねじの場合は、ピッチに条数を掛けた値がリードとなる。
上述のように一条ねじではピッチ = リードとなるので、ピッチとリードは混同されて用いられる場合が多い。 -
リード角
平行ねじの場合は,ねじ山のつる巻き線と,その上の1点を通るねじの軸に直角な平面とがなす角度をいう。
-
冷間圧造
コイル状の素材を加熱せずに、ヘッダー(頭部成形機)、その他の冷間鍛造機械などにより、常温で一定以上の力を連続的に加えて塑性加工によって圧造成形することを、冷間圧造加工という。
塑性加工とは、金属材料を曲げたり、伸ばしたり、叩いたりして、ある一定以上の力を加えて変形させると、もとの形に戻らなくなる(塑性変形)性質を利用した加工のこと。
冷間圧造の特徴は、素材をそのまま加工するため、切削加工と違い材料ロスも少ない上に、加工スピードも早く、熱間鍛造加工,温間加工に比較しても、熱による歪みも少なく、また、超硬合金等を使用したダイス,パンチ等の金型によって圧造成形するので、加工精度が高く、精度的に均一な製品を作ることができるため、ねじ量産品では最も普及している。
-
六角穴
上面に六角形のくぼみがある頭で、断面が六角形の工具(六角レンチ)を差し込んでねじを回す。
-
六角穴付きボルト
キャップスクリューとも呼ぶ。頭部形状が円柱状の六角穴付きのボルト。
-
六角ボルト
六角頭のボルトの総称で、円筒部の形状によって"呼び径六角ボルト(胴太)","有効径ボルト(胴細)" 及び "全ねじボルト"の3種類がある。
-
ローレット
側面に付ける凸凹状のすべり止めで、縦目ローレット,綾目(アヤメ)ローレットが一般的であるが、軸部に加工した回り止め用途、或いは、押し込み用途の平目ローレットも存在する。
-
ワッシャー
被締結部材と小ねじ,ボルト,ナット等の座面との間に入れる部品。
-
割りピン
半丸線材を曲げ合わせて断面形状を丸くした軸部とリング状の頭を持つピンで、ボルト,リベット等にあけた穴に差し込み、足を開くことで、ナットの戻り,部材の落下などを防ぐために用いる部品。
-
FRP
FRPはFiber Reinforced Plasticの略称であり、繊維強化プラスチックのことである。
FRPは強度や熱変形温度の向上だけでなく、寸法安定性や寸法精度の向上も見込める。
FRPはマトリックス樹脂の分類から、繊維強化熱硬化性プラスチックと繊維強化熱可塑性プラスチックに分けられ、一般的には繊維強化熱硬化性プラスチックをFRPとし、繊維強化熱可塑性プラスチックはFRTPとしている。
なお、繊維の分類から、ガラス繊維をG、カーボン繊維をCとし、これらを組み合わせて、GFRP・CFRPあるいはGFRTP・CFRTPと呼ぶことがある。
ガラス繊維よりも高機能なカーボン繊維,ボロン繊維,アラミド繊維などが開発され、これらを強化繊維としたFRPもある。 -
ISO
International Organization for Standardizationの略で、国際標準化機構のこと。国際規格の策定を目的とする国際機関で、各国の標準化機関の連合体。1947年に設立され、現在では165ヵ国(2021年時点)が参加している。本部はスイスのジュネーブ。日本からは日本産業規格(旧:日本工業規格)(JIS)を定める日本工業標準調査会が、1952年(昭和27)に加入した。略称が英文名称の頭文字語「IOS」ではなく「ISO」になっているのは、ギリシャ語で「平等」を意味する「isos」という言葉が起源という説がある。
-
JIS
Japan Industrial Standard の略で、日本産業規格(旧:日本工業規格)のこと。我が国の工業製品の規格を標準化し品質の改善をはかるために、工業標準化法(昭和24年)に基づき制定された国家規格。
2019年7月1日の法改正によって工業標準化法から産業標準化法へと名称が変更になり、日本工業規格(JIS)は日本産業規格(JIS)に変わった。
JISは、2021年3月時点で、10,944規格が制定されている。
日本工業標準調査会 -
PC
PCはPoly Carbonate(ポリカーボネート)の略称。
西ドイツのバイエル社が1956年初めて工業化した樹脂で、機械的性質・耐熱性・電気的性質などが優れた、用途の広いエンジニアリングプラスチック。なお、透明性にも優れていることから光学的用途にも使用される。
・耐薬品性:塩素化炭化水素系溶剤に溶ける。
・耐熱性 :実用温度範囲は-40℃~120℃の広い温度範囲にわたって使用できる。
・難燃性 :難燃剤を含まずとも、UL94V-0を達成できる。
・電気特性:広い周波数領域・温度範囲で優れた電気的特性を保つ。 -
PEEK
PEEKはPoly Ether Ether Ketone(ポリエーテルエーテルケトン)の略称。
イギリスのICI社で開発された結晶性ポリマー。
・耐薬品性:濃硫酸に溶解するが耐溶剤性に優れている。
・耐熱性 :熱変形温度は非強化の場合は150℃、GF30%の場合は300℃、試験方法はISO R75。
・難燃性 :難燃剤を含まずとも、UL94V-0を達成できる。
・電気特性:広い周波数領域・温度範囲で優れた電気的特性を保つ。 -
PPS
PPSはPoly Phenylene Sulfide(ポリフェニレンサルファイド)の略称。
この材料は樹脂のみで成形品とされることがほとんどなく、繊維強化材・無機充填材などとコンパウンディングされて射出成形用に使用される。
・耐薬品性:有機酸はもちろん、無機の強酸にも十分耐えられる。また苛性ソーダのような強アルカリにも侵されない。ただし、熱濃硫酸のような酸化力の強い酸には侵される場合がある。油脂・有機溶媒には特に優れた耐薬品性を示し、200℃以下でこれを溶かす溶剤は無い。
・耐熱性 :長期耐熱性に極めて優れ、高荷重下での熱変形温度はGF40%では260度以上あり、高温度雰囲気中で長時間連続使用しても物性劣化が少ない。
・難燃性 :難燃剤を含まずとも、UL94V-0
・電気特性:優れた長期電気的特性を有している。また、広い周波数領域で良好な絶縁特性を有する。
・機械特性:幅広い温度範囲で、高い強度と高い剛性を発揮する。 -
RoHS指令
欧州連合(EU)各国では、化学物質が地下水へ浸出することによる環境汚染、また人体への悪影響が問題となっていたため、「RoHS指令」という電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する法律が2006年7月施行された。このRoHS指令は2011年7月に改正指令が施工されて以降、「RoHS2」とも呼ばれており、それに伴い当初のRoHS指令は2013年1月廃止された。
2015年6月にフタル酸エステルなど4種類の規制物質が追加され制限物質は10物質となり、「RoHS10物質」という言葉で表されることもあります。従って、RoSH2指令では、電気・電子機器において具体的に、カドミウム、鉛、水銀、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)に加え、4物質のフタル酸エステルの使用が制限または禁止されることとなった。この計10物質は、それぞれ最大許容濃度が定められ、最大許容濃度を超える量を含む製品はEU域内で製造・販売できず、また、RoHS2の最大許容濃度以下であることが明確化された指定の販売製品には、CEマーキングという安全マークの貼付が義務づけられました。 -
SUS303
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-8Ni-高S
特徴,用途:SUS304にSを添加し、被削性、耐焼付性向上させた材料。自動盤用として用いられ、切削ボルト・切削ナットが製造されている。 -
SUS304
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-8Ni-0.06C
特徴,用途:ステンレス鋼・耐熱鋼として最も広く使用されている。
一般的な食品設備,化学設備,家庭用品として使用されている。機械加工性が良くない事が欠点。 -
SUS304J3
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-8Ni-2Cu
特徴,用途:SUSXM7から銅を減少させコストダウンを図った。または、SUS304にCuを添加し、冷間加工性と非磁性を改善した鋼種で、冷間加工用ボルトの材料として多く使用されている。 -
SUS305J1
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-13Ni
特徴,用途:SUS304のNi量を増やし、冷間加工性を改善したSUS305の低炭素鋼で、加工硬化性が低く、冷間圧造用として用いられる。 -
SUS310S
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:25Cr-20Ni
特徴,用途:耐酸化性が309Sより優れており、耐熱鋼として使われることが多い。 -
SUS316
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-12Ni-2Mo
特徴,用途:SUS316とはオーステナイト系ステンレス鋼のなかでも特に、耐食性の良いステンレス鋼で、SUS304に耐食性のよいMoを添加したもので、海水をはじめ各種媒質にSUS304より優れた耐食性があるので、化学薬品用,各種化学工業,船舶電気関係など幅広く用いられる。またNiも増量し、より耐食性をよりよくする効果を上げている。 -
SUS316L
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-12Ni-2Mo-0.02C
特徴:SUS316の極低炭素鋼で、SUS316の性質に耐粒界腐食性をもたせたもの。
SUS316は冷間加工性が悪いので、SUS316の注文に対して、SUS316Lで製作し、納品されるのが一般的である。『L』はローカーボン(低炭素)を表し、耐食性や機械的性質はSUS316と遜色ないので、問題はないと考えられる。 -
SUS317
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-12Ni-3Mo
特徴,用途:耐孔食性がSUS316より優れているので、染色設備材料など特に耐食性を求められる箇所に使用されている。 -
SUS403
マルテンサイト系ステンレス鋼 概略組成:13Cr-低Si
特徴,用途:タービンプレードなどに用いられるステンレス鋼です。耐熱鋼としても用いられています。 -
SUS410
マルテンサイト系ステンレス鋼 概略組成:13Cr,≦0.15C
特徴,用途:SUS410はマルテンサイト系ステンレス鋼で、鉄が約87%と多く、またその中に含まれるC(炭素)も多いので熱処理が可能。この熱処理により硬くなるので、セルフドリルリングスクリューやタッピンねじに使用されている。
ステンレス鋼の場合、一般の熱処理ではCrが炭化して黒く,もろくなってしまうので、通常は窒化熱処理が行なわれている。 -
SUS420J2
マルテンサイト系ステンレス鋼 概略組成:13Cr-0.3C
特徴,用途:SUS410,SUS420J1より焼入れ後の硬さが高くなる鋼種であり、SUS410より耐食性に優れるので、刃物やノズル,弁座,直尺などに用いられています。 -
SUS430
フェイラト系ステンレス鋼 概略組成:17Cr,≦0.08C
特徴,用途:耐食性の優れた汎用鋼種で、磁性があり、業務用厨房,建築内装用,家電部品などに使用されている。耐食性はSUS304より劣るが、磁性があるので、ねじ等の締結時の作業性向上に向く。 -
SUS630
析出硬化系ステンレス鋼 概略組成:17Cr-4Ni-4Cu-Nb
特徴,用途:Cuの添加で析出硬化性をもたせた鋼種で、析出硬化により強度が上がるので、シャフト類,タービン部品に用いられている。 -
SUSXM7
オーステナイト系ステンレス鋼 概略組成:18Cr-9Ni-3Cu
特徴,用途:SUS304のNi量を増やし、Cuを添加して冷間加工性の向上を図った鋼種。オーステナイト系ステンレス鋼の中ではほぼ最良の冷間加工性があるので、十字穴付小ねじやタッピンねじは、ほとんどがこの鋼種で製造されている。
ステンレス鋼の鋼種名は、SUS304やSUS410などのようにSUSの後に3桁の数字がつく。
SUSXM7のような鋼種名は独特だが、JIS規格にも認定された鋼種。
XM7というのは開発中のナンバー名である。
耐食性や強度はSUS304と同等。 -
Uボルト
U字型に曲げた両端にねじを持つボルトで、主に配管(パイプ等)の固定に使用される。
-
1ダイ2ブローヘッダー
1個のダイスと2個のパンチを持つ最も一般的な圧造機で、通称ダブルヘッダーと呼ばれる。
最初に1個目のパンチで予備成形を行ない、次に2個目のパンチで仕上げ成形するという2工程を交互に作動させて、2回転で1個の製品を成形する。 -
2ダイ2ブローヘッダー
2個のダイスと2個のパンチを持つ、2工程で加工を行なう圧造機で、1回転で1個の製品を作ることができることから、生産性の向上が図れる。
-
2ダイ3ブローヘッダー
2個のダイスと3個のパンチを持つ、3工程で加工を行なう圧造機で、製品軸径に対して、より大きな頭の据え込み加工が可能。2回転で1個の製品を作ることができる。