Technology
技術情報
テクノロジーセンターの5つの技術で新たに挑戦
金属ガラス
高強度でばね定数が小さく、内外力比の小さいボルトを開発
金属ガラスの高降伏強度でありながら低ヤング率であるというユニークな特性を利用することで、高強度でばね数が小さく、内外力比の小さいボルトを開発しました。このねじは、従来不可能とされていた金属ガラスの冷間塑性加工(転造)を適用することにより、じん性が付与され、また量産が可能となりました。
さらに、高強度・低ばね定数の特性は、相手材にやさしく、また、ボルト自身 にゆるみ難い機能を与えます。
金属ガラスの冷間塑性加工による高機能化
High -performance
金属ガラスねじは高張力鋼ねじに比べ、1.3倍の強度を有します(図1)。また、従来不可能とされていた金属ガラスの冷間塑性加工(転造加工)により、切削金属ガラスねじに見られないじん性を示します。これは主に転造による残留応力によると考えられます(図2)。さらにこの表面の圧縮応力は疲労強度の向上に寄与することが期待されます。一方、ねじ頭部は高降伏比を維持しているので、締付け取外しの繰り返し使用に強い理想的な機械特性を有します(図3)。
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図1 M3ボルトの引張試験結果
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図2 金属ガラスねじの残留応力
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図3 冷間転造Zr55Cu30Al10Ni5金属ガラスねじの特徴
軽量化・小型化に貢献する優れた締結特性
Characteristic
金属ガラスボルトは締付け軸力が高張力鋼ボルトに比べ大きく、また締付けトルクが大きいので、軸力管理が容易です(図4)。締付け座面は、面圧が低減するので焼付きが生じにくい滑らかな面を呈します(図5)。また金属ガラスボルトはねじにとって最も重要なゆるみに対する抵抗が大きい(ゆるみ難い)ことが明らかとなりました(図6)。
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図4 締付け軸力特性
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図5 締付け試験後の被締結部材座面
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図6 軸直角方向繰返し変位によるゆるみ試験結果
試験ボルト:六角穴付きボルトFM3×8
使用用途
Use applications