NEWS
お知らせ

2016.08.04

「脱デフレ」

 第三次安倍再改造内閣が、昨日発足しました。 「最優先課題は経済で、デフレ脱出速度を最大限に」と首相の会見内容のポイントが報道されています。 

 第二次安倍政権が発足した時に「“アベノミクス”三本の矢(金融・財政・成長戦略)」が放たれました・・・それから、3年余・・・今度は「新三本の矢(GDP600兆・出生率1.8%・介護離職ゼロ)」だそうです。 いつも思うことは、これらの事柄は「矢ではなく、的(目標、目的)」であると思うのですが!? つまり、(矢としても)それを飛ばすには「どんな弓で、誰がどう引くのか?」のイメージが湧かないというか、その説明がないことで、今回もストレスを感じているのは、小職だけなのでしょうか!?


 名目GDPを、2020年即ち4年後には600兆円にする!の件ですが、現在(2015年)の名目GDPは?というと、500兆円(内閣府発表データ)だそうです。 ちなみに、近年での最高は1997年の525兆円で、そこからずーと右肩下がり、リーマンショック(2009年)でガタンと落ちて、ボトムは2011年の465兆との記録で、見事に、“失われた20年”とか“デフレの20年”を証明できる形でした。

 「500兆円を4年後に600兆」にするという事は、その間の成長率を120%にするという事で、解りやすい単位の数字で考えて見ますと・・・


 ①給料が500万円/年(仮に40歳)⇒4年後は600万円(その時40歳の人に)


 ②会社の売り上げなら50億円/年⇒4年後は60億円に、となります。


GDP600兆へとは、解りやすい数値目標(矢ではなく、的)が掲げられたと思いますが、実際問題として、確実に実現させるには・・・?

500×1.04=520 ×1.04=540 ×1.04=562 ×1.04=585 ×1.04=608

なので、年率4%の成長を5年(5回)続けることができて、ようやく達成できる目標なのです。

 それには、まさに「相当な経済好循環」が必要で、バランスの良い「家計消費」「企業業績」「投資」を4%づつ4~5年の間、伸ばし(成長)し続ける“具体策”と“実行”が問われているとも言えるのです。

 小職は決して悲観論者ではないつもりですが、物価も落ち着いている現状下で、言い換えてデフレが続いている状況下で、どうやって具体的に、輸出を20%増やし、会社の数や売り上げも20%増し、雇用もお給料も20%増やしていけるのでしょうか!? 何を変えるべきか、いや変えなければならないのか!? 日本経済の構造そのものを具体的に見直すことへの国民的合意と、できるものから始める(マップ提示&リード)ことを政府の責任で示し、一億総メンバーが“本気で”取り組む形にならなければ、GDP600兆への到達・実現は、とても難しいのでは!?が、正直な感想であります。(どうやって、速度を速めて最大にすればいいのかを問いたい)


 一方、なぜ?デフレがいつまでも続いているのでしょうか!?


①ここへ来ては、中国の経済減速が最大の要因でしょう・・・いくらマーケットは世界とはいえ、過剰生産下での供給が続く限り、製品単価も原料単価も下がるは必然かと!


②$100していた原油が(最低$30~)$40辺りで落ち着いてきました。 原油の消費量が同じとして、実に$60に当たる60%の資金が、流動していない(産油国に支払われない)つまり、手取りが60%減った状態、即ちあの(潤沢だった)オイルマネーがそれだけ地球経済から消えてしまっているのです。


こういった、地球規模での大きな事変をしっかりと認識した上での具体的な対策ですね!

新しい「経済産業大臣」の発信・リードを、心から期待するばかり。


 最後に、なぜ?デフレ下では名目GDPが増えないのか・・・

<教えて!Goo Q&A ベストアンサー>が、解りやすく解説してくれています。

『名目も実質GDPも、国が経済成長しているかを測るものさし。 名目GDPは“金額”、実質GDPは“数量”と考える。 日本をみかんを売っているお店で、売り上げと数量で考える。 去年はみかんが100個売れて、今年は105個売れた。 その場合、数量で考えれば成長率は105-100/100=0.05(5%)<実質成長率は+5%> 次に金額で、みかんの単価、去年は100円/個でしたが今年は90円になった(デフレ)場合、売り上げ高は去年が100円×100個=10,000円、今年 90円×105個=9,450円 となり、その成長率は 9,450-10,000/10,000=-0.055(-5.5%) <名目成長率は-5.5%>』

(くどいですが)今般の政府の成長目標は⇒「名目」なのです!

であれば、デフレ下(お給料も減るし、物価も下がり続ける状態)で、それが続く中で4年後に名目GDPを600兆に!の到達は、至難の業と言わざるを!? 

 デフレを脱却する(具体的な矢を放ち続ける)ことこそが、優先されるべきであるし、前提条件でありませんか!?が、小職の現時点での理解であり、主張なのです。


 弊社、年間売り上げ高は丁度50億円超えなので、これを4%/年率づつ成長させ、4年後には60億円へと押し上げ(利益率もカイゼンし)、待遇面(労働分配率)や投資面でも、成長し続けられるように、これが当社のこれから4年間の<“ブルノミクス”>であります。 穏やかなインフレ実現への実践(イノベーションと新しいマーケット開拓)に汗をかき続ける、8月初旬です。


  2016年 盛夏の候                     代表取締役 松元 收

一覧に戻る