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2015.11.20

利益

11月も後半になってきました。 上場企業の9月中間決算発表もほぼ出揃いましたが、一部上場企業の利益は過去最高の勢いだそうです。 その中でも特に増益額が大きいのは「自動車」「電機」「化学」といった、輸出企業で、勿論“円安”(1円の円安は上場企業全体で1,000億円/年の増益要因)も相まって利益を押し上げて、T自動車も16年3月期には最高益計上の見通し、との新聞報道であります。

 

ところで、日本全国の企業数(法人)は約260万社ある(以前は300万社を超えていたが、年々減少)そうですが、その内の約70%が赤字法人だそうです! 但し、税金(法人税)を納めていないという意味での「赤字」、言い換えれば、税金を納めたくないから赤字にしているのではなく、多くの企業が税金を納められない状態での経営を続けている状態だという事です。

<企業数の減少もそうですが、失われた25年(デフレ)の間に、直接法人税の税収不足が続き、それを補う目的での間接増税(消費税)という方向へも導かれてきました> 

残りの30%の黒字(納税)企業も二つに分かれます。 5%と25%。 5%の企業は真の黒字会社(売り上げ高比3%以上の利益)と言えるが、残りの25%は(+0~2%)程度の利益で、その納税額から“わずか企業”と揶揄されている状態なのであります。

 

ちなみに、冒頭掲げたT自動車(自動車トップ企業)の営業利益率は、優に10%を超えています。 そんな中で、今般、びっくりぽん(信じられない)報道に接しました。

 

これだけ好業績のT自動車が、「14年度下期から据え置いてきた¥@値下げ要請を⇒15年度下期から部品メーカーへ再開する!」という内容です。 直接的な要請は「一次部品メーカーの約450社」に課せられるのでしょうが、そこに繋がる「総下請け企業(サプライチェーン)数はおよそ29,300社」あるそうです。 一次部品メーカーは、その中の1.5%にすぎないのですが、二次、三次、と下がるにつれて(下請けの98.5%の企業に)その値下げ分が転換されて、経営規模が小さな部品メーカーほど大きな負担になっていく構図が、又もや繰り返されるという訳なのです。 電力料金の高止まりや人件費の上昇(コスト増)となっている現状に、加えて納入価格の値引きというダブルパンチを受けることになれば、多くの中小零細下請け企業は、これから一体どうなっていくのでしょうか!? “わずか企業”⇒“赤字企業”への転落や、“赤字企業”⇒“廃業”へと進んでしまうのではないか!?という心配、問題提起なのであります。 

 

 弊社も「ものづくり」の会社ですから、理解しやすいところなのですが・・・「T自動車は最近14年間で3兆円もの調達コスト削減を進めてきた」「無理なコストダウンは、必ず品質の低下につながる。 09年から繰り返される大量のリコール事件も、実は調達部品の品質劣化が原因なのでは!?」と、製造業の品質に詳しいシンクタンクも警鐘を鳴らしています。 これだけの好業績下で値引き要請を再開することで、(結果的に)廃業などへと、サプライチェーンに大きな変化が起こり、結果的に生産や品質に大きな影響が出るようになっていくのでは!?(決して、そうなってはいけませんよね)と、日本のもの造りの象徴“自動車産業の行く末”に、このままではチョット!?問題かなあと、危惧の想いが大きくなってきている今日この頃なのです。

 

『仕入先を買い叩かず、下請け会社とも対等の立場で接することが、

長期安定経営の条件ですよ』  ―― 伊那食品工業:塚越寛会長 ――

(含蓄ある、そして日本で代表的な“いい会社”を構築された会長様のお言葉も、思い出されます)

 

「企業の利益」とは・・・会社とそこで働く人、そして社会を良くする為のコスト!で、絶対に無くてはならないものである!

「利益の捻出(増やすこと)」は、経営の最終目的ではなく、

次の①~⑤を達成するための手段なのである!

 ①企業の延命 ②未来への投資 ③働く人の福利向上 ④株主への還元 ⑤納税

(社長として、経営責任者として、いつも自覚している“利益”への想いです)

 

『利益が出ない企業や経営は罪悪である!』     ―― 松下幸之助 ――

(会社や従業員、社会発展のためのコストを支払わないのだから) 

 

利益とは、コストとは、品質とは、・・・色々と思いを馳せる、秋の夜長です。

 

 

平成27年11月  紅葉、向寒のみぎり       代表取締役 松元 收

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