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お知らせ

2006.12.11

"ニッケル"は"上トロ"になった・・・のお話

 金属価格は、原産国・消費国の需給動向や世界景気、為替市場などのさまざまな要因により日々変動しています。 日本国内の非鉄金属価格は、国際的な非鉄金属市場であるロンドン金属取引所(LME)の価格から大きな影響を受け価格が変動しています。

 例えば、当社の製品である「ステンレス」の主な原材料である「ニッケル」のLME価格は、2000年3月に$10,284/トンの高値をつけた後、一転して2001年10月には、$4,828/トンまで値を下げたのですが、その後再び騰勢を強め2006年5月には$21,077/トンから8月には$34,750/トンへと激しく急騰し、国内のニッケル価格に影響を与え、それがそのまま「ステンレス原材料(NI系)」の一連の価格改定(2004年度から)に直結・反映しています。 特に2006年に入ってからの三次に渡る価格改定で、ステンレスねじ原材料¥@はそれ以前の2.5~3倍ものレベルに達します。

 このような状況に至った要因・背景としては、中国需要の急拡大からの需給逼迫懸念(世界的なNI在庫量は過去最低レベル)とそれを見越した投機筋による介入であります。 であれば、まだしばらくはこの状況が続くでありましょう。 合わせて見逃せないのは、高炉各社の大幅な減産対策です。 20~30%の減産は当面続けるとの事ですから、我々川下のメーカーへの素材安定供給そのものが難しい局面が続きます。

 この一連のステンレスの価格変動がお客様(産業界)に与える影響は計り知れません。 
デフレ経済や激しい価格競争の習慣が残っている業界では、価格転嫁困難との抵抗を受けもしますが、我々としては高炉減産の元だが原料の調達を先行し、①安定供給の責任を果たす事を優先に考え、行動に移す。 併せて②品質力(製品そのもの、納期・在庫の精度も上げる)③技術・製品開発力 ④提案・問題解決力 等もトータルでご提供できてこそお客様にとって「適正な価格」になるとの信念の基に、云わば、「高いサービスでの差別化」にチャレンジさせて頂いている昨今でございます。

 考え方の一例ですが、これほどNI系ステンレスが高騰しますと、それは「高級品」としての位置づけとなるでしょう。 例えて「松竹梅」のランク(選択肢)で云えば「松」ブランドですが、ステンレスは勿論これだけではありません。 「竹」のCR系ステンレスでも表面処理や使用方法の工夫で実用機能を満たせるものは実は沢山あるのです。 「梅」の鉄製品との比較データもお知らせします。 お客様に「選択」して頂く、その事も大変重要な事であり、そのあらゆる選択肢をご提供できるメーカーであり続けたいと念願しております。

 お寿司屋さんに入ると・・・
(松)「上トロの入った"上にぎり"」 (竹)「海老・蛸の"並にぎり"」
(梅)「カッパ・玉子の」・・・『メニュー』が並んでいます   注文はお客様です!

『お客様、今日は上トロが品薄で値が張ってますが・・・松で・・・よろしおまっか!?』
『ええよ・・・握って』  『あいよ、おおきに! 喜んで!!』   

                      2006年12月                   代表取締役社長  松元 収

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